日時2019年 2月 16日(土)14:00〜16:30
会場 :中大付属中(工作室)  


内容  小型アンプの製作を通して電気エネルギーを学ぶ


 2月の定例研究会は入試等の関係で第三土曜日の午後に実施した。今回の会場を使用するのは昨年(2018年)10月以来である。研究会当日は学園の行事があり開始が少し遅れた。

 最初に学習全体の流れについて説明があり2学期に半田ごてを製作している。その半田ごてを用いて、3学期に電気回路(主に電気エネルギー変換)の学習と回路の組み立てを行っている。今年は生徒の要望も入れて、スマホに繋げることの出来るスピーカー付きアンプ(図1)の製作を取り上げた。スピーカーを用いるので電気エネルギーをどのように音に変換するかも取り上げたので、少し盛りだくさんな内容であった。
 アンプを組み立てる前に、ハンダ付けの練習に選んだのは、9ボルトの電源を抵抗4本で電圧を下げて発光ダイオードを点灯するもので、抵抗の直列接続や回路の学習も出来るのを用いた。(図2)
 この練習基板はイギリス製のkitronik(キットサイエンスキット)のもので、ハンダ付けの箇所が少なく失敗が少ない。また出来上がって発光ダイオードが発光するとにより興味を持ってハンダ付けをしていた。このkitronikは、電子プロジェクトキットを専門としていますが、教育にも力を入れており、教育用の電子キットを多数発売しているので検索してみてください。
 ここで、なぜ4本の抵抗を用いているのか話題になり、一つはハンダ付けの練習が多すぎるといやになるが10カ所程度なので飽きずに出来る。直列に入っているので電圧の降下を調べやすいなどが出された。また、抵抗値(100Ω×4本)については、発光ダイオードに2V 程度の電圧を加える為との説明がありましたが、発光ダイオードは10〜20mA程度流して発光させるもので、電圧よりも電流で計算した方が良いとの指摘もありました。
 練習基板に電池を繋ぎ発光するだけで生徒は感動し、次の課題のスピーカーに取り組む姿が見られた。このキットもkitronikを用いている。(図3)このキットの良さはアンプの収納とスピーカーを止めるケースが付いることで、音質と音量が大きくなるので実用に耐えられる。アンプキットの特徴は、取り付け済みのICを用いているので、部品数が少なくハンダ付け不良による失敗が少ない。参加者が試しに製作したが、短時間で作り上げたが、紙で出来たケースを組み立てるのに分かりにくかった。
 電気エネルギーをスピーカーを通して音に変換するのだが、附属のスピーカーではどのようにして音になるのか分からない。大きなスピーカーの端子に電池をつないでコーン(振動板)の動きを 観察させたり、半分に切って構造を見せると、磁石とコイルの関係が分かり、音に変換したり周波数についても理解が出来るのではないか。コイルに電流が流れることによる電磁についても学習できる。永久磁石とコイルで発電も出来る。それを確かめるのにスピーカーをマイク代わりに用いると面白い。昔のインターホンがそうだった。残念ながら今のスピーカーはマイクロホン代わりにしても発電量が小さいので難しい。などの指摘があった。

 最後に、前回の電気回路の学習で用いた教具(図4の左上)を早速実践し取り組んだが、上手く行かなかったと実物を持ち込んで検証した。原因は電池ボックスの不良で、取り替えたら問題なく電 流が流れ回路が働いた。電池ボックスはおかしな点が見られなかったので気がつかなかった。教具に用いる電気部品について、気をつける必要がある事を気づかせてくれた。参加者が教具をみて感心したのは、このような教具は、図の左上のように釘かねじを用いて部品をはんだ付けするが、それだと手間暇が掛かるのとハンダ付け不良が生じるので、図の左下のように部品の足を折り曲げ木材に挟み込むだけにしている。このようにすると、ハンダ付けが無いので短時間でつくることが出来る。参加者一同感心したことを付け加える。




   


研究会に対する問い合わせ先

野本 勇