日時2015年 10月 17日(土)14:00〜17:00
会場 八王子学園

< のこぎりびき評価装置の実践 >

 

写真1 討議風景

 会場校では、来年度入試の為の学園説明会が行われていた。また秋の運動会や中間テストの準備などで忙しい時期である。関心の高い内容であったが参加者はいつもの顔ぶれに留まった。


 本日の講師でもある新村先生(今年の4月から中野区へ異動)から、最初予定していた会場が管理職の許可がおりず使えなくなった。その理由が学外の研究会はだめとの説明だけで、参加者一同あきれてしまった。また今まで用いてきた教具が、私物扱いになり、授業で私物の持ち込みはでき無いとのこと。参加者からは分かりやすい授業を進めるために、いろいろな教具を自費で開発し用いてきた。その一部が使用できないのは問題であると意見が出された。


写真2 プログラム

 今回ののこぎり評価装置についても、学校の予算では作りきれないので、自費で購入したパソコンや材料費の一部を各方面から補助してもらって製作したので私物扱いにされた。参加者から他の教科でもいろいろと工夫された教具を用いているのに、授業で用いる教具について私物扱いになるのはひどいとの意見がでた。また参加者から、授業で用いるパソコンを持ち込んだところ、管理職からクレームが付いたが、使用目的を説明して黙認してもらったとの意見が出された。新村先生は職場で対立してもしかたがないので、少しずつ説得するといき込んでいた。
 さて、のこぎりびき評価装置について実践報告と問題点について報告してもらい研究会を進めた。


写真3 実演

 昨年度より取り上げ、夏の大会で匠塾(実技コーナー)で製作されたのこぎりの評価装置ですが、どのように利用すれば効果が上がるのか実践を行っている新村先生より報告してもらった。そもそもブロックパズルの製作を通して、加工学習(主に木材加工)の技術を学ばせているが、ブロックパズルを正確に作るためには材料へのけがきと、のこぎり引きが大切になる。特にけがいた線を正確に切るためには、のこぎりを正しくもち引く時の姿勢が大切である。のこぎりで正確に材料を切るために各種治具も用いたが正しい姿勢であるか評価が出来なかった。 最終的に今回の装置となった。ラズパイ(「ラズベリーパイ」は、英国で教育向けの安価なコンピューターとして開発され、手のひらサイズなのに、パソコンとして使える。価格は5000〜6000円)の入出力端子にLEDや加速度センサーを接続し、制御するのにグラフィカルなプログラミング言語の「Scratch」を用いたものである。
 残念ながら今年は、この評価装置は私物ということで用いることが出来なかった。昨年は用いたので、その違いとして使用した場合は95%の生徒が正確に切れたのに対して、用いなかった場合は80%という結果が得られた。


写真4 センサーを隠して

 どのように用いるか、実際に参加者に用いてもらい討議に行った。
 のこぎり引きは小学校でも使うが、のこぎりを動かせば切れる、切れれば良しとという生徒が多く正しい姿勢がなかなか身につかない。正確に材料を切るためにも、正しい姿勢を身に付けさせることが大切になる。のこぎりの傾きがチェック出来るので、傾かないように緊張感が生じる。緊張感が生じれば自然と姿勢も正しく保つ事になるのでよい。
 周りから見られる事で、いろいろな点が指摘されのこぎりの傾きを気にするので、緊張しましたとの感想が聞かれた。


 今回用いたプログラムを希望される方は、永澤先生(八王子学園)まで問い合わせください。


   研究会に対する問い合わせ先
    永澤 悟(八王子学園)   
    野本 勇(産教連常任委員)