日時2013年 9月 7日(土)14:30〜16:00
会場 八王子学園(工芸室)


内容 技術教育・家庭科教育の現状を変えるための手がかりを探る


[東京サークル9月定例研究会報告]               会場:八王子学園 9月7日(土)14:30〜17:00   教師としての力量を高めることが技術教育・家庭科教育の未来を左右する  今夏の産教連主催の全国大会(第62次技術教育・家庭科教育全国研究大会)終了後最初の定例研究会であるが、体育祭の準備などで忙しいためか、参加者は少なめであった。今回は、東京駅から快速電車で1時間ほどのところにある、表記の学校に会場を移して実施した。この日は、大会を振り返りながら、その成果に学ぶとともに、今後の課題を明確にすることを目途として研究会を行った。

@プロのハンダづけに学ぶ―実践講座:はんだ付けの方法― 太洋電機産業株式会社  大会の実践講座で好評だった「はんだ付け講座」を再度行い、研修を深めた。太洋電機産業鞄結梔c業所からお二人を講師としてお招きし、目の前での実演を交えながらの講習をお 願いした。参加者の多くは大会での実践講座を受講していたので、いろいろな角度からの質問が次々に飛び出し、予定していた1時間30分が短く感じられた講習であった。 質問事項のなかから、特徴的なものをいくつか記しておく。
 ハンダごては、ヒーターのちがい(ニクロムヒーターかセラミックヒーターか)とこて先の材質のちがいによって、それぞれ2種類に大別される。ハンダづけで重要な役割を果たすフラックスは松ヤニを主成分にしたもので、成分にはそれぞれのメーカー独自の工夫がなされている。ハンダづけは母材にあたる銅パターンとハンダとの間に合金層が形成されることによって接合さ・E黷驕B

A産教連が課題として取り組むべきことは何か             金子政彦
 今夏の大会での討議を通じて、産教連が取り組むべき課題が見えてきた。それは、保護者や他教科の教員などの学校関係者だけでなく、一般の人々に対して、技術教育・家庭科教育の大切さをもっと強く訴え、理解してもらう努力を続けることである。そのために次のようなことをすべきではないのか。
(1) 授業参観や公開授業をはじめとして、さまざまな形で子どもが生き生きと学んで いる姿を見せる。直接見せることがむずかしければ、授業の様子をビデオに撮って 見せたり、学習の成果としての作品を展示して見せたりするだけでもよい。あわせ て、学びによって子どもが変わったことを具体的な実践で示しておくことも忘れて はならない。
(2) 教科(技術・家庭科あるいは家庭科)の大切さをいろいろな場面を通じてPRする ことが大事である。その方法として、たとえば、新聞社や放送局などのマスコミを 利用したり、インターネットを活用したりすることが考えられる。
(3) まともな技術教育・家庭科教育を行うためには、現在の授業時間数ではとうてい 足りない、ということを具体的な実践を例示しながら、内外に強く訴える。
 その後の討議では、活発な意見交換がなされた。「保護者を対象とした懇談会を技術室で実施した先生もいる。保護者向けだけでなく、生徒・教職員向けの教科通信を発行している先生もけっこういる。こうした地道な取り組みが大事である」「非常勤講師の問題などの厳しい現実を、学校現場からの声ということで、新聞社に投書し、取りあげてもらう手もある」「文部科学省のお役人や国会議員にあてて、学校現場のありのままの姿について、メールで伝えるのも効果があるのではないか」「現在、選択教科はなくなっている。あった頃はそれなりの役割を果たしてきたのだがら、この際、復活させてもよいのではないか。とにかく、音楽科や美術科とタイアップしてでも、授業時間数を増やすはたらきかけをすべきだろう。そのために、周囲の人々を納得させられるようにがんばろう」「隔週の土曜日について、午前中の授業を復活する方法もあるのではないか。実際にやっている地域もあるのだから。ただ、法律的にクリアしなければならない問題もあるようだが」「産教連がこれだけがんばって取り組んでいるのだということをホームページ上でもっとアピールできる・ニよいのだが」。
 この日の討議では、時間の関係もあって、結論めいたことは導き出せなく、今後も引き続いて議論していくこととした。  

永澤悟(八王子学園八王子中学校)
野本 勇