日時2012年7月7日(土)13:30〜17:00
会場 麻布学園(加工室)
麻布学園(技術・加工室)

内容 全国大会レポートの事前検討を試み

7月初旬は期末テストならびに成績処理のまっただ中で、教員にとっては大変忙しい時期だが、この日は、研究会終了後に全国大会の事前打ち合わせも行ったため、関係者が会場を後にしたのは日没後になってしまった。 さて、7月の定例研では、夏の大会に提案予定のレポートの事前検討を行ってきている。今回は2人の方にレポート内容の概略を報告してもらい、大会での発表のしかたなどについて意見交換をした。
@「加工(ものづくり)の授業」分科会提案―大学生に杉丸太材からの作品製作に取り組ませる試み (藤木勝東京学芸大学 )
木材を使った作品製作に取り組む場合、材料である木材の特徴や性質を知らずに行うのは無謀に近い。そのためには、加工学習の原点に立ち返って考える必要がある。つまり、きれいに製材され、乾燥も十分な板材を使うのではなく、皮つきの丸太材を加工して作品を作り上げるほうが学習効果が高いはず。ということで、生の杉間伐材を加工して卓上ペンケースに仕立て上げる実践を進め、その教卓上ペンケース試作品育効果の検証を行っている。受講している大学生が4月から7月まで取り組んだ状況から見えてきたことを大会で報告する。
藤木氏は、「木材は乾燥すると収縮するが、収縮のしかたは一様ではないので、仕上がり寸法が定まりにくい状況のなかで製作を進めなければいけないというむずかしさがこの教材にはある。この実践は大学生を対象としたものであるが、カリキュラムを一部変更すれば、中学生に対しても実践可能ではないか」と藤木氏は述べていた。 「この教材を使って中学生に実践させる場合、底板は同じ材質の板材を別途用意し、横びきだけで加工が終わるように配慮するなどの措置も必要」と藤木氏は補足された。 「中学生時の技術・家庭科技術分野の授業時間数が週あたり1時間で学んできた大学生の技能レベルの実態も大会では報告してほしい」との要望も参加者から出された。

A「育てて食べる生物育成の授業」分科会提案―大豆の栽培からインゲンへ 野本勇(麻布学園)
「栽培学習は技術教育で欠かせない大事な内容である」との認識から、以前より中学校入学当初に学習するようカリキュラムを組んできた。今年は、プランターを土ごと入れ換え、5月にインゲンと大豆を同時に播種した。播種後、発芽した大豆の苗がハトにやられ、全滅状態になってしまった。そこで、サツマイモの栽培に切り替えてみた。プランターでどこまで育つか未知数のところもあるが、今のところ順調に生育している。うまく収穫までこぎ着けることができたら、家庭科の調理実習で食材として使ってみようと考えている。これまでの失敗例も紹介し、失敗のない栽培学習を進めるにはどうすればよいかを大会で報告する。
パソコンによる映像を交えながら報告された。「鳥害を防ぐ対策も重要で、キャップをはずしたペットボトルの上部を横に輪切り状にしたものをたくさん作り、発芽直後の苗にかぶせておくと、かなりの効果が期待できるのではないか」との意見も出された。
野本 勇(麻布学園・技術科) isa05nomoto@snow.plala.or.jp
金子 政彦 (大船中学校) mmkaneko@yk.rim.or.jp