第61次 技術・家庭科教育研究全国大会

主催: 産業教育研究連盟,後援: 大東文化大学,東京都教育委員会

大会テーマ
『巧みな手、科学する頭、人と人を結ぶ心を育む技術教育・家庭科教育』

大会要項パンフレット(pdf, 303kbyte )

大会の柱

  1. いまの技術教育・家庭科教育の問題点について情報交換し、今後どのように進めていくべきかを幅広い立場から検討します。
  2. 新学習指導要領の内容を実践的に検討しながら、教科のなかで子どもに真につけさせたい力を探ります。
  3. 子どもをひきつける教材についてさまざまな角度から検討し、魅力ある授業の内容と方法を探ります。

ブログラム


8月4日(土)
9:00 受付
9:30-12:30 授業を作る分科会I
1.育てて食べる生物育成の授業
新設「生物育成」どう実践していますか?水耕栽培、鉢・プランター栽培、畑・水田での栽培やさらに 多様な形態もあるでしょう。生き物や天気が相手でもあり、長年取り組んできた教師でもうまくいかない こともあります。都心の中学校で屋上プランター栽培に長年取り組んできた中での失敗体験も交えながら の報告や、はじめて取り組んだというフレッシュな報告をもとに、生物育成の可能性を話し合っていきま す。生きるためにものをつくる基本の営みとしての栽培・農業の技術。育てて食べるまでをつなげて考えていきたいです。
2.加工(ものづくり)の授業
「A材料と加工に関する技術」ではどんな指導をしていますか。材料では木材、金属、プラスチック類、 糸・布などのうちどれですか。道具や機械および加工 方法の指導ではどのようにしていますか。限られた時 間の中で、何をどこまでどのように教えるかは永年の 課題ですが、「これだけは身につけさせたい」という 指導者としての視点や工夫があるはずです。技術教育 ・家庭科教育として、生徒の心と身体に残る学習をさ せたいものです。この分科会では、数々の実践例をも とに、わかる・できる・たのしい授業をめざして参加 者全員で討論していきます。プリント一枚の実践報告 も歓迎です。
13:30-14:30 全体会
14:30-16:00 講演「種が危ない・自家採種のすすめ」 講師 野口 勲 (種苗研究家)
農業の近代化に伴い、たくさん採れる種と農薬や化学肥料・大規模農業が推奨され、確かに生産量は増 えました。しかし、在来種などが失われ、種子の支配が戦略的に行われており、遺伝子組み換え技術と種 子、その特許による大企業の市場支配は世界中に大きな波紋を投げかけています。大事な食料の問題を「種」から見つめ直そうという講演です。
【講師略歴】1944年生まれ。野口種苗研究所経営。1965年、虫プロ出版社に入社し、手塚治虫担当漫画編集者となる。その後、みかど育種農場で農作業と育種学を研修。1974年、出版編集稼業をやめ、家業を継ぐ。著書 『いのちの種を未来に』(創森社)、近著では、『タネが危ない』(日本経済新聞出版社)。
16:15-17:15 教材・教具発表会
手づくりの教材や教具の発表会です。実習題材、演示教具、視聴覚教材など多様なものを持ち寄っての発表です。ぜひとっておきの教材教具をご持参ください。常時展示コーナーもあります。
17:30-18:30 産業教育研究連盟総会
ぜひ会員になり,技術・家庭科教育を育てていきましょう.

8月5日(日)
9:30-12:30 授業を作る分科会II
3.電気・機械・情報の授業
学習指導要領では「エネルギー変換」とひとくくりにされている電気、機械などの工学的な分野は技術教 育として大事な分野です。産教連では技術の原理をいかした教材・科学の仕組みの探求を重視してきてきました。生産技術について理解を広げるための基礎・基 本とは何か、何をどこまでどのように指導するかを柱として検討します。情報の学習では、これまで、ともするとコンピュー タ操作スキル向上やマナー指導に傾きがちでしたが、 必修となった計測・制御について何をどのように指導 するか、生徒につけさせたい力は何かを検討します。
4.調理実習へつなぐ食物の授業
食物の授業をどのように構成し展開していますか?週 1 時間のなかでは、何を軸にして、どれだけのことを教えるか、調理実習をどう行うかなどみなさん苦心しているところだと思います。ここでは、小麦粉 の性質を見きわめながら調理実習へつなげていく実践を模擬授業的に報告します。実習を含んだ立体的な学びをどうつくるか、生徒の経験不足をどう補っているかなど、食物学習で困っていることや実習を成功させる工夫など討議していきます。
13:30-17:00 実技コーナー
授業にすぐに活かせる教材・教具を作ります。「授業をつくる分科会」の関連の実技的な内容も扱います。時間いっぱいかけてつくるものや2つ3つと取り組んで授業のネタや材料をいろいろ仕入れることもできます。
・出店予定「木製テープカッター Newバージョン」「低融合金による鋳造」 「延長コード製作指導のいろいろ」「使い捨てカメラを使ったインバーター蛍光灯」「手縫いですぐできるティッシュケース・ブックカバー」「タオルでつくるミニぬいぐるみ」 などなど 持ち込み出店歓迎

18:00-20:00 交流会
スローフードとロハスを楽しむ『ハーブ&美味しい野菜塾レストラン』に場所を移して、夕食をとりながらの交流会です。事前申し込みをお願いします。

8月6日(月)
9:30-11:30 教科教育・教育課程を考える討論会
昨年の東日本大震災と原発災害は、私たちの生き方や教育についての大きな問い直しを投げかけました。 基調提案や分科会討議を活かし、これからの教科教育や教育課程づくりを全員で考える討論会です。少ない時間数、専任不在校の増加など厳しい条件もありますが、各地の状況や取り組みも出し合い、またここ でのレポート発表も含めながら討論します。
11:30-12:00 閉会集会
本大会のまとめと今後の課題など
13:30-15:00 見学会 タニタ本社
健康計測機器メーカーとしてまた、レシピ本『体脂肪計タニタの社員食堂』で有名な「タニタの本社」を見学します。体重計が機械式から電子式に変化した点や、野菜や果物を載せただけでカロリーが分かる秤、 体脂肪計や睡眠状況の測定器など大変面白い機器が開発されているようです。また、社員食堂や健康についての取り組みについても紹介していただきます。